CQ-Japanは、どのように測定・算出するのか
国際的なCQ研究を土台に、
日本の職場で必要となる知識を加えて分析します
CQ-Japanは、日本と海外の間で働く人が、文化や仕事の進め方の違いをどのように理解し、実際の行動へつなげているかを把握するための評価・育成ツールです。
Table of Contents
一般的なCQ(Cultural Intelligence)の研究枠組みを土台としながら、日本で働く外国籍社員と、海外で現地人材を率いる日本人社員が直面する課題に焦点を当てています。
CQ-Japanの目的は、人に点数を付けて優劣を決めることではありません。現在の強みと課題を知り、次の学習や行動を考えることです。
| ご協力:京都大学経営管理大学院 特定准教授 國分 圭介 氏 開発経済学、脳情報学、人的資源管理論などを専門とし、組織や人材に関する研究に取り組んでいます。 CQ-Japanでは、Cultural Intelligenceに関する既存研究との整合性や、測定・分析方法について、学術的な観点から助言を受けています。 |
CQを構成する4つの領域
CQは、一般的に4つの領域から捉えられます。
| 領域 | 簡単に言うと | CQ-Japanで見ること |
|---|---|---|
| CQ Drive | 違いに関わろうとする力 | 異文化環境へ関心を持ち、困難があっても関わり続けようとするか |
| CQ Knowledge | 日本についての知識 | 日本または現地の文化、職場習慣、価値観などを理解しているか |
| CQ Strategy | 違いを読み解く力 | 自分の思い込みを見直し、複数の可能性を考えられるか |
| CQ Action | 行動を変える力 | 相手や状況に応じて、伝え方や仕事の進め方を調整できるか |
CQ-Japanでは、この4つを一つの総合点だけで判断するのではなく、領域ごとの特徴を見ることを重視します。
国際研究に基づく部分と、日本向けに設計した部分
CQ-Japanの特徴は、すべてを独自につくるのではなく、国際的に研究されてきたCQの枠組みと、日本の職場に必要な内容を組み合わせていることです。
| 国際研究との整合性を重視 | 日本向けに設計 |
| CQ Drive CQ Strategy CQ Action | CQ Knowledge |
| 国際的に研究・検証されてきたCQの概念と測定枠組みを使用し、各領域が本来意図している能力との整合性を重視します。 | 文化知識は対象となる国や職場によって内容が異なるため、一般的な漠然とした設問ではなく、日本の価値観、職場習慣、仕事の進め方などに焦点を当てています。 |
ここでいう「国際研究に基づく」とは、ISOのような公的な国際規格を意味するものではありません。CQに関する国際的な先行研究、理論、既存の測定尺度との整合性を重視しているという意味です。
また、既存尺度を参考にしながら設問の表現や構成を変更した場合、元の尺度と完全に同一の測定とは言えません。CQ-Japan独自の設問については、今後も回答データを蓄積し、継続的に検証・改善していきます。
なぜCQ Knowledgeは日本向けにするのか
CQ Drive、CQ Strategy、CQ Actionは、異なる文化の人と関わる際の意欲、考え方、行動に関する力です。そのため、文化が変わっても共通して捉えやすい領域です。
一方、CQ Knowledgeは、何について知っているかを扱います。日本で働く場合には、日本の職場で実際に必要となる知識を確認する必要があります。
- 報告・連絡・相談の考え方
- 仕事の品質や完成度への期待
- 会議や意思決定の進め方
- 上司と部下、同僚との関係
- 明示されていない期待や配慮
- 時間、期限、顧客対応への考え方
ただし、「日本人は全員こう考える」と決めつけるための知識ではありません。文化的な傾向を一つの手掛かりとして知り、実際には目の前の相手へ確認することを重視します。
CQ-Japanの数値は、どのように算出するのか
受検者の回答は、領域ごとに集計・分析されます。その結果を、CQ-Japanが保有する参照データと比較し、現在の相対的な位置が分かる形で表示します。
平均を50とする数値は、能力の絶対値ではありません。現在の参照集団の中で、相対的にどの位置にあるかを分かりやすく示すものです。
数値だけを見るのではなく、4領域のバランス、回答傾向、職場での実際の行動と合わせて読み取る必要があります。
参照データは毎年更新します
文化や働き方は変化します。受検者の属性や地域構成も、年によって変わります。
そのため、CQ-Japanでは分析の基礎となる参照データを定期的に見直し、その時点の回答傾向を反映した分析を目指します。
同じ人が再受検した場合でも、本人の経験や学習による変化、回答時の状況、参照データの更新などによって、結果が変わる可能性があります。
前年との数値差が、そのまま本人の成長量を意味するとは限りません。経年変化を見る場合は、数値だけでなく、領域別の回答傾向や実際の行動変化も合わせて確認します。
同一の受検者は、原則として年1回の再受検を想定しています。一定期間の実践や学習を経たうえで再確認することで、次の育成課題を考えやすくします。
現在のデータについて
CQ-Japanの現在の参照データは、東南アジアに関係する回答者が中心です。日本人および日本国内で働く外国籍社員については、今後さらにデータを蓄積する必要があります。
したがって、現時点の数値を「日本人全体の平均」や「世界全体の平均」として扱うことは適切ではありません。どのような集団を基準にした結果なのかを明らかにし、その範囲内で解釈します。
現在できること
- 4領域の相対的な傾向を確認する
- 強みと育成課題を考える
- 研修や対話の出発点にする
- 東南アジア関連の実務知見を反映する
今後必要なこと
- 日本人回答者の拡大
- 日本で働く外国籍社員の回答蓄積
- 業種・職種・役職別データの蓄積
- 設問の信頼性・妥当性の継続検証
学術的な助言
京都大学経営管理大学院 特定准教授 國分 圭介 氏
開発経済学、脳情報学、人的資源管理論などを専門とし、組織や人材に関する研究に取り組んでいます。
CQ-Japanでは、Cultural Intelligenceに関する既存研究との整合性や、測定・分析方法について、学術的な観点から助言を受けています。
※監修・助言の具体的な範囲については、実際の契約・合意内容に沿って表示します。
CQ-Japanの精度を、一緒に高める協力者を募集しています
CQ-Japanは、完成した数値を一方的に提供するだけの仕組みではありません。日本と海外の職場からデータと事例を集め、研究者、企業、人事担当者、現場の管理職とともに改善していく取り組みです。
特に現在は、日本人および日本国内で働く外国籍社員のデータを充実させることが重要な課題です。
企業・組織の皆様
- 外国籍社員と日本人社員の協働に課題がある企業
- 海外赴任者や海外拠点管理職を育成したい企業
- 診断と研修を組み合わせた試行導入に関心がある企業
- 匿名化した集計データを、人材育成へ活用したい企業
研究者・専門家の皆様
- 異文化マネジメント、組織行動、人的資源管理の研究者
- 尺度開発、統計分析、心理測定の専門家
- 外国人材・海外駐在員の育成に関わる実務家
- 共同研究や事例研究に関心がある教育機関
協力によって目指すこと
- 日本人・外国籍社員の参照データを充実させる
- 設問が意図した能力を測れているか継続的に確認する
- 業種、職種、役職による違いを研究する
- 診断結果と職場での行動・成果との関係を検討する
- 企業が実際に使える育成方法を開発する
協力をお願いする際には、利用目的、取得する情報、匿名化の方法、保管期間、第三者提供の有無などを事前に説明し、同意を得た範囲でデータを取り扱う必要があります。
多くのデータを集めることだけが目的ではありません。日本と海外の職場で、本当に役立つ評価と育成の仕組みを、根拠を確かめながら一緒につくることが目的です。
ご協力・共同研究について
企業での試行導入、回答データの蓄積、共同研究、設問や分析方法への専門的な助言など、さまざまな形での協力を検討しています。
関心をお持ちの企業、研究者、教育機関、実務家の皆様は、現在の課題や可能な協力方法についてお問い合わせください。
パートナーとしてご協力いただける場合には、ぜひ、ご連絡ください
CQはどのように測定しますか?
CQ-Japanでは、動機(Drive)・知識(Knowledge)・戦略(Strategy)・行動(Action)の4つの領域ごとに回答を集計し、参照データと比べた相対的な位置を算出します。
CQ-Japan指数の「50」は何を意味しますか?
CQ-Japan指数は、参照データの平均を50とする相対的な値です。絶対的な能力の高さではなく、参照データの中でどのあたりに位置するかを示します。
国際的なCQの測定方法と何が違いますか?
動機・戦略・行動は国際的なCQ研究の枠組みを参考にしています。知識(Knowledge)は、日本の職場で必要となる文化や商習慣の知識を測れるよう、日本向けに独自に設計しています。
参照データは更新されますか?
はい。参照データは毎年更新し、測定の精度を高めていきます。研究や企業との協力を通じて、データの充実にも取り組んでいます。
質問は更新されますか?
日本関係に特化した質問に関しては、年ごとに修正する予定ですが、それ以外のCQ本体の部分にに関しては、国際的な論文にのっとった設問に準じておりますので、当社の判断で変更することは致しません。その面に課しては、論文や研究結果と乖離することが無いように、専門家の指導に従いながら改定してまいります。
CQの4つの要素の意味はCQとはで、CQが後から伸ばせる理由はCQは生まれつき?それとも伸ばせる?で解説しています。国際的なCQ研究は、Cultural Intelligence Centerなどを中心に進められています。実際の測定は、無料のCQ診断でお試しいただけます。
| 【参考文献・出典】 Earley, P. C., & Ang, S. (2003). Cultural Intelligence: Individual Interactions Across Cultures. Stanford University Press. Ang, S., Van Dyne, L., Koh, C., Ng, K. Y., Templer, K. J., Tay, C., & Chandrasekar, N. A. (2007). Cultural Intelligence: Its Measurement and Effects on Cultural Judgment and Decision Making, Cultural Adaptation and Task Performance. Management and Organization Review, 3(3), 335–371. DOI: 10.1111/j.1740-8784.2007.00082.x 京都大学経営管理大学院. 國分 圭介 特定准教授 教員紹介. |