グローバル人材育成の4つの課題|英語力96位の日本に必要な力

グローバル人材育成は、多くの日本企業が長年取り組んできたテーマです。しかし、国際比較のデータを見ると、その成果は十分とはいえません。

英語力は非英語圏123か国・地域の中で96位。上級管理職の国際経験は、世界人材ランキングで最下位の評価を受けたこともあります。一方で、国内で働く外国人は257万人を超え、「海外に行かなくても異文化と向き合う」時代に入っています。

この記事では、日本におけるグローバル人材の実情をデータで整理し、グローバル人材育成が進まない課題と、その解決策を解説します。後半では、プロ野球の「助っ人外国人」を例に、これからのグローバル人材に必要な力について筆者の私見を述べます。

まず、AIを使って、現状を調査し、そのデータを示します。
(すみません、調査に関してはAIに頼っていますので、間違いがあったらコメントお願いします)

グローバル人材とは

グローバル人材とは、言語や文化、価値観の違いを乗り越えて、多様な相手と成果を出せる人材のことです。政府のグローバル人材育成推進会議(2012年)は、必要な要素を次の3つに整理しています。

要素内容
要素1語学力・コミュニケーション能力
要素2主体性・積極性、チャレンジ精神、協調性・柔軟性、責任感・使命感
要素3異文化に対する理解と、日本人としてのアイデンティティ

注目すべきは、語学力は3要素のうちの1つにすぎないという点です。英語が話せても、相手の価値観を理解し、信頼関係を築けなければ、グローバルな環境で成果は出せません。

また、グローバル人材は「海外で働く人」だけを指すわけではありません。外国人の部下や同僚、取引先と国内で協働する人も、同じ力が求められます。詳しくはグローバル人材に必要なことでも解説しています。

グローバル人材に必要な3つの要素

データで見る日本のグローバル人材の実情

国際比較では、日本の「人材」に関する評価は低い水準にあります。一方で、国内の職場は急速に多国籍化しています。

指標日本の結果出典
世界人材ランキング(総合)69か国・地域中40位(2025年)IMD(共同通信)
上級管理職の国際経験64か国・地域中最下位(2023年)IMD(ビジネス+IT)
語学力64か国・地域中60位(2023年)同上
英語能力指数(EF EPI)123か国・地域中96位、アジア25か国・地域中17位(2025年)nippon.com
国内の外国人労働者数257万1,037人、前年比11.7%増(2025年10月末)厚生労働省(nippon.com)
データで見る日本のグローバル人材の実情

管理職の国際経験が世界で最も乏しい

IMDの世界人材ランキングは、2025年に7年ぶりに順位を上げ、40位となりました。ただし、2023年の項目別評価では、「上級管理職の国際経験」が調査対象の中で最下位でした。「有能な上級管理職」「マネジメント教育」も下位に位置しています。

つまり、異文化の現場を経験したリーダーが少なく、部下にその経験を伝えられない構造があります。

英語は「わかるが使えない」

EF英語能力指数の2025年版で、日本は5段階で最も低い「非常に低い」レベルに分類されました。今回から加わった「話す・書く」の評価で、理解はできても使いこなせない傾向が明確になりました。

「海外に行かない人」も異文化と向き合う時代

国内の外国人労働者は13年連続で過去最多を更新しました。外国人を雇う事業所は約37万か所で、その6割以上が従業員30人未満の小さな職場です。

グローバル人材育成は、大企業の海外赴任者だけの課題ではなくなっています。中小企業を含む、あらゆる職場の課題になっています。

日本のグローバル人材育成の課題

人材不足の問題は以前から指摘されています。総務省が海外進出企業を対象に行った調査では、約7割の企業が海外事業に必要な人材の不足を感じていました(総務省)。長年取り組んでも成果が出にくい背景には、次の4つの課題があります。

課題起きていること
1. 語学偏重研修が英語中心で、異文化対応力が育たない
2. 育成の成果が見えない研修の前後で何が変わったかを測っていない
3. 経験頼みの育成「行けば身につく」という現場任せになっている
4. 対象が狭い海外赴任者だけが対象で、国内の外国人と働く人が取り残される

課題1:語学偏重

グローバル人材育成というと、英会話研修やTOEICのスコア目標が中心になりがちです。しかし、語学力は3要素の1つにすぎません。言葉が通じても、相手の本音や価値観がわからなければ、現地スタッフは動いてくれません。

課題2:育成の成果が見えない

語学力はテストで測れますが、異文化対応力は「なんとなく」評価されています。測らなければ、研修の効果も、赴任者の選び方が正しいかも判断できません。

課題3:経験頼みの育成

「現地に行けば自然に身につく」という考え方は、根強く残っています。しかし、管理職の国際経験が世界最低水準の日本では、経験を教えられる上司自体が不足しています。

課題4:対象が狭い

外国人を雇う職場の多くは、国内の小さな事業所です。外国人の部下を持つ国内の上司や同僚こそ、異文化対応力が必要な層です。

グローバル人材育成の方法|5つのステップ

課題を踏まえると、グローバル人材育成は「測って、育てて、また測る」サイクルで進めるのが効果的です。

  1. 求める人材像を定義する:海外赴任者、外国人部下を持つ管理職、海外取引の担当者など、自社に必要な役割ごとに人材像を決める。
  2. 現状を測定する:語学力だけでなく、異文化対応力も客観的な指標で測り、個人ごとの強みと弱みを把握する。
  3. 研修を設計・実施する:測定結果に合わせて、語学研修と異文化理解の研修を組み合わせる。一律の研修よりも、弱い部分に絞った方が効果的です。
  4. 実務で経験を積ませる:海外出張、多国籍プロジェクト、外国人社員との協働など、異文化に触れる機会を意図的につくる。
  5. 再測定して成長を確認する:同じ指標で再度測り、研修と経験の効果を確かめる。結果を次の育成計画や配置に活かす。

この中で、多くの企業が抜け落ちているのがステップ2と5の「測定」です。測定がないと、ステップ3の研修は一律になり、効果も検証できません。

CQで異文化対応力を見える化するグローバル人材育成

グローバル人材育成の鍵は「異文化対応力の見える化」

異文化対応力を測る指標として、海外で研究が進んでいるのがCQ(Cultural Intelligence Quotient:文化的知性)です。IQが知能、EQが感情の知性を表すように、CQは「文化の違う相手と効果的に働く力」を表します。

CQは、次の4つの要素で構成されます。

要素意味低いと起きること
動機(Drive)異文化に関わろうとする意欲・自信外国人との接点を避ける
知識(Knowledge)文化の違いに関する知識相手の行動を誤解する
戦略(Strategy)自分の思い込みに気づき、対応を計画する力日本の常識をそのまま押しつける
行動(Action)相手に合わせて言動を変える力わかっていても対応できない

CQの特徴は、生まれつきの資質ではなく、育てられる能力として扱われている点です(参考:CQは生まれつき?それとも伸ばせる?)。4要素に分けて測ることで、「知識はあるが行動が伴わない」といった弱点が具体的にわかります。

これは、先ほどの5ステップのうち、ステップ2「現状の測定」とステップ5「再測定」にそのまま使えます。語学力はTOEIC、異文化対応力はCQというように、2つの物差しでグローバル人材を捉えることができます。

CQの詳しい解説は、CQとはをご覧ください。

ここからは、ここまでのデータを踏まえた、筆者の私見です。

物差しがないから、語学力に頼ってしまう

グローバル人材は、必要性が叫ばれているものの、その育成や成長の度合いを測る物差しがないために、場当たり的な対応になっているように見受けられます。

そして、唯一スコア化できるのが語学力であるため、語学偏重型の判断が行われているように感じます。

しかし、今後AIが進歩するにつれて、「語学力」という壁は低くなっていくと思われます。そうなると、やはり言葉以外の能力、つまり実践力や適応力が大切になるのではないでしょうか。

プロ野球の助っ人外国人に学ぶ適応力

プロ野球の「助っ人外国人」に学ぶ適応力

私は、自分の好きな野球に例えて考えてみました。

海外から日本に来て活躍する「助っ人外国人」にとって、何が大事なのでしょうか。

日本語力ではないと思います。また、本国での実績や実力もゼロではないものの、日本での活躍には必ずしも比例していないように感じます。

では、何が重要かというと、次の2つではないかと考えています。

  1. 日本の生活に適応できているか
  2. 日本の野球に柔軟に対応できているか

たとえメジャーリーグでどれほどの実績があっても、日本で結果を残せない選手はたくさんいます。一方で、3A(日本でいうファーム)から安い年俸で来日し、大活躍する選手もたくさんいます。

その違いは何か。もちろん全部を知っているわけではありませんが、まず、日本が大好きな選手が多いような気がします。そして、自分のスタイルにこだわるのではなく、日本の野球のプレースタイルに適応しながら対応できる人なのではないかと思います。

これは、CQの4要素でいえば「動機(日本が好き)」と「行動(相手に合わせて変えられる)」にあたります。企業のグローバル人材育成でも、まったく同じことがいえるのではないでしょうか。

CQと活躍度の関係を見てみたい

私はまだCQに関しては素人なので、偉そうなことは言えません。ただ、もしプロ野球のスカウトの方などが、来日する外国人選手のCQと活躍度の関係を調べてみたら、興味深い研究結果になるのではないかと、勝手に考えています。

まとめ|グローバル人材育成は「測る」ことから始まる

  • 日本は、英語力も管理職の国際経験も、国際比較で低い水準にある
  • 国内の外国人労働者は257万人を超え、異文化対応はあらゆる職場の課題になった
  • グローバル人材育成が進まない最大の理由は、語学偏重と「測っていないこと」
  • AIの進歩で語学の壁が下がるほど、適応力(CQ)の差が成果の差になる
  • 語学力に加えて、CQを測り、育て、再測定することが成果への近道

「英語ができる人」を育てる時代から、「文化の違う相手と成果を出せる人」を育てる時代へ。その第一歩は、今の力を知ることです。

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大石 雄 株式会社イーネット 代表取締役社長

今回は、AIを使った調査を前半に乗せました。その後、素人の自分なりの私見を書きました。私は、海外生活経験は長いですが、CQという専門的な分野に関しては、まだ素人なので、皆様からのいろいろな角度からのご意見もいただければ幸いです。

参考資料

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